日本各地の財布産地で進んでいる職人の高齢化。
なんとか、その技術を継承できないか。
そんな想いから、豊岡財布は生まれました。
豊岡には財布や小物を製作する企業はそう多くありませんでしたが、鞄のまちとしての長い歴史の中で蓄積してきた技術があります。
私たちなら、財布の技術を習得できるのではないかと考えました。
当初、財布の産地から指導者を招き、取り組みがスタートすると、職人たちは様々な違いに戸惑いました。
革の断面に施すコバ処理ひとつとっても、磨きが少しでも粗ければ目立ちますし、縁返しの革の薄さ、ひだの細かさは、鞄のそれとは似て非なるものです。
より一層、繊細な技術が必要とされるのです。
着手から数年が経ち、職人の研鑽や各社の開発が実を結びつつあり、認定商品は少しずつ増えています。
縁返しの皮革の厚さはわずか0.3mm。
角の部分はさらに薄く漉き、菊寄せが施されている。
自然な光沢が美しいコバ。
毛羽立った皮革の断面に薬剤を塗り、乾燥させ、磨く作業を何度も繰り返す。