「素材の素材」まで夢が詰まった
地球にやさしい「夢のかばん」
「SDGsをみんなで意識する世の中にしたい!」そんなまっすぐな夢を添えてみゆうさんが送ってくれたのは、「地球にやさしいリバーシブルバッグ」。使う素材までサステナブルなものにしたいと、綿密に考えられたデザインが目を惹く素敵なアイデアです。
素材から使い方までサステナブルなものに、そんなみゆうさんの夢をどう叶えたのか。鞄製作を手がけた職人に、完成までのストーリーを聞きました。
語り手:
株式会社由利由利
「豊岡鞄」と「夢のかばん」の両立
質にこだわった製作過程
株式会社由利をはじめ豊岡鞄では、リサイクル素材を生かした製品をいくつも世に送り出してきました。当社で扱う、漁網再生ナイロンを生かせるアイデアが素敵だなと思い、みゆうさんの作品を選定しました。
製作の打ち合わせはオンラインで。いちばんのこだわりを聞くと、学校で習った、紙のクラフトテープを鞄にしたいという部分でした。その意見をもとに、リバーシブルの仕様でサンプルを作ってみましたが、豊岡鞄の基準を満たす耐久性の確保が難しく。より素材の特徴を生かした、サステナブルな使い方ができないかと、アイデアを膨らませてみることに。
構造の見直しの過程では、サンプル(写真左)を作りながら、コンセプトと強度、使いやすさの試行錯誤を繰り返しました。
そうして私たちから提案したのは、カゴとトートを分離して、2wayで使える構造でした。気分や季節に合わせて、かごバックとシンプルなトート、デザインの違いを楽しめます。大人から子どもまで簡単に着脱ができるよう、スナップボタンで留めるようにした部分もポイントです。作者のみゆうさんからもOKをもらい、本格的に鞄作りがスタート。
実はいちばんのチャレンジだったのが、みゆうさんのいちばんのこだわりだったクラフトテープのかご部分でした。緩い編み目を維持したまま鞄の形に縫い上げるために、型を使ったりあれこれと治具(※固定するための器具)を試してみたり、斜めに縫い目を入れる方法を取ったりと、先輩職人にも意見を聞きながら試行錯誤しました。
「サステナブルな鞄に!」という夢を叶えるために、素材もすべて環境に配慮されたものを。かごは再生紙100%のクラフトテープ、トートの生地は漁網を再生したナイロン、白いフリルには、天然の染料を活用した「オニベジ®︎」という生地を採用しました。
想定外の連発でしたが、無事に豊岡鞄の認証も得ることができ、本当にホッとしました。
打ち合わせはオンラインだったので、作者のみゆうさんとは贈呈式のときに初めて対面しました。喜ぶ顔を直接みることができ、鞄の出来上がるまでのお話を聞いてもらうことができ、じーんと胸が熱くなりました。
豊岡で育ち、今も豊岡で鞄作りに携わっているものとして、このプロジェクトを通して、豊岡が「鞄のまち」であることを知ってもらえたら、本当に嬉しいなと思っています。
夢が叶ったときの感想は?
作者のみゆうさんに聞きました
−「夢のかばん」を受け取ったとき、どんな気持ちになりましたか?
想像以上に素敵だな、とおもった。漁網も色味が良かったです。レースの生地や色味もとても素敵で気に入りました。
−「夢のかばん」を持って、どんなところに行きたいですか?
春夏のおでかけ。ピクニックなどに行きたいです。
−職人にひとことお願いします!
夢がかないました。かばんを大事に使いたいと思います。ありがとうございました。
プロジェクト総集ムービーを公開中
プロジェクトのスタートから完結までを動画でご覧いただけます。子どもたちの夢、職人の想い。「夢のかばん」づくりの過程を、オリジナル楽曲とともにお楽しみください。
製作企業
株式会社由利
普遍的な素材やデザインを用い、使う人のライフスタイルに長く、優しく寄り添えることを目指す「Atelier nuu」など、多彩な自社ブランドを展開