普段は会えない深海の魚。
鞄にすることで夢を叶えた
「ラブカをだっこ」

一見するとかばんには見えない、まるでぬいぐるみのような「ラブカをだっこ」。発表のときには、その精巧なつくりと完成度の高さに、会場がどよめくほど。

デザインを応募してくれたのは、ラブカがとにかく大好きなきょうすけさん。
「ラブカのことが大好きなのに、深海にいるからなかなか会えない。鞄にして毎日一緒にいたい」
そんなまっすぐな夢も添えられていました。

「口からものを出し入れする」という、機能に対するリクエストも含めて、どのようにして「ラブカをだっこ」が作られたのか、製作を担当した職人に聞きました。

語り手:
株式会社ハシモト橋本

あえて難しいデザインに挑戦

受賞作品を選ぶときには、「せっかく作るならば、なかなか作り方が想像できない、難しいものに挑戦しよう」と思っていました。きょうすけさんの作品を見たときに、口からものを出し入れするアイデアと、ラブカへの愛情が伝わるコンセプトに心を打たれて、「これを実現したい!」と感じたのを覚えています。

作るときには、ラブカの写真をもとに、裁断、縫製、型の微調整を繰り返しました。CADでパターンを起こして、すべてのパーツを合わせると100以上を縫い合わせて作っています。

特に顔の部分にはものすごくこだわりました。ものを出し入れするときに、口元の負担が大きくなるため、歯肉上下一体型のパーツにすることで強度を出したり、頭の形をきれいに保つため、硬く縫った綿袋を内部に仕込む構造にしました。
また、「ビー玉のようにきれいな緑の目にしたい」というきょうすけさんのリクエストを実現するため、レジンを緑に染めて、これもオリジナルで手作りしています。

魚を、しかもラブカという特徴的な深海魚をかばんにしていく過程を、最初は難しく考えていましたが、完成してみると、普段行っている鞄づくりの応用であることに気がつきました。
ものづくりが好きな方は、ぜひ「ラブカ作り」にチャレンジしてほしいと思います。(この楽しみを独り占めするのはもったいない・・・!)

贈呈式のときには、ラブカのTシャツを着てきてくれたきょうすけさん。鞄を渡してからずっと、ぎゅっと抱き抱えて、じーっと眺めていた姿に胸が熱くなりました。夢を叶えるお手伝いができて本当に嬉しかったですし、これから色々なところに、ラブカの鞄を連れて行ってくれるんだろうなと思っています!

夢が叶ったときの感想は?
作者のきょうすけさんに聞きました

−「夢のかばん」を受け取ったとき、どんな気持ちになりましたか?

ラブカにあえた!と、うれしいきもちになった。目がキラキラしてかわいいところがお気に入り。生きているみたい。

−「夢のかばん」を持って、どんなところに行きたいですか?

すいぞくかんにつれていきたい!

−職人にひとことお願いします!

(お母様より)完成披露を待ちきれない姿や、初めてラブカに会えた時の目の輝き、嬉しそうに遊ぶ様子、どれもとてもいい顔を見ることができてよかったです。ラブカとめいいっぱい遊べるような金具の配慮も、さすがでした!ハシモトさんが担当で本当によかったです。優しく向き合ってくださりありがとうございました。

プロジェクト総集ムービーを公開中

プロジェクトのスタートから完結までを動画でご覧いただけます。子どもたちの夢、職人の想い。「夢のかばん」づくりの過程を、オリジナル楽曲とともにお楽しみください。

製作企業

株式会社ハシモト

鞄づくりの技術と経験を活かし、
オリジナルブランド「ottorossi」を展開。大人のカジュアルバッグを提案している

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