デザインと期待を、経験で超える
「肩掛けコウノトリ鞄」製作ストーリー
機能へのこだわりと、デザインの意図。思わず職人も唸ってしまうような本格的なアイデアを応募してくれた、あづきさん(12歳)。豊岡の名物であるコウノトリをモチーフにしたコンセプトが、ひときわ目を惹く作品です。
「コウノトリ」を、どんな形で、どんな生地でかばんに落とし込むのか。豊岡の名物だからこそより一層真剣に取り組んだという製作過程を、職人に聞きました。
語り手:
株式会社ナオト棚橋
ポケットの開け閉めが楽しくなる
遊び心をプラスした「夢のかばん」
豊岡からはとても離れた場所にお住まいのあづきさんですが、コウノトリが豊岡の名物と知ってくれていて嬉しく思いました。このプロジェクトならではの、豊岡らしい鞄が作れるのではないかと感じたのが、選んだ理由です。加えてコウノトリの赤や豊岡の自然を色に落とし込むなど、デザインに対する考えがびっしりと書かれていて、感銘を受けたのを覚えています。
作品から受けた印象の通り、あづきさんとてもはっきりとイメージを持たれていました。「ここはどうする?」と聞いたらすぐに答えが返ってくるので、打ち合わせのときはワクワクが止まらなかったです。
鞄の内側の「コウノトリポケット」が、いちばんのこだわりであり、挑戦でした。デザイン画では抽象的に描かれていたコウノトリを、どんな形でどんな表情にするのか、何枚もスケッチを起こして試行錯誤を繰り返しました。ただデザインを鞄にするだけではなく、もっと期待を越えられるものが作れないか、そんな思いでした。
そうした結果、ポケットを開けると、コウノトリのくちばしも開くような遊び心を加えることに。ポケットを強調するために、胴体の白と赤い目には反射材を使用したり、ポケットの中に綿を入れてふっくらさせました。コウノトリをぐるりと囲むステッチは、顔の曲線や細いくちばしが美しく映えるよう、ひと針ひと針丁寧に、納得のいくまでミシンを走らせました。ひとつのパーツではあるのですが、今までの経験をふんだんに落とし込み、こだわり抜いた自信作です。
これも作者のあづきさんのアイデアなのですが、鞄の外装の白い部分は、よく見るとゆるやかに波打っています。普段の量産品ではまずしない仕様なのですが、どんな曲線が最も美しく見えるか、こちらも楽しみながら追求しました。
豊岡鞄としての品質基準を満たし、認定も受けてお渡ししているので、きっと長く愛用してもらえるはず。この鞄が生活の一部となるくらい、気に入って使ってもらえたらとても嬉しいなと思います。
夢が叶ったときの感想は?
作者のあづきさんに聞きました
−「夢のかばん」を受け取ったとき、どんな気持ちになりましたか?
私が楽しみにしていた鞄を受け取るができてとても嬉しかったです。私のイメージがそのまま鞄になっていて驚きました。中身も私がイメージした通りでしたし、コウノトリポケットについては私が考えていたよりもっと良くなっていて、とても感動しました。
コウノトリのポケットは、コウノトリの表情が変わったり触り心地がとても良く気に入りました。また赤色の模様の部分がポケットになっていて、私がデザインした通り波のような模様にしていただいているところも気に入りました。
−「夢のかばん」を持って、どんなところに行きたいですか?
作ってくださった夢のかばんを持って友達と遊びに行ったり、出かけるときに肩にかけて持ち歩きたいです。このかばんを持って色々なところに旅に行きたいです。
−職人にひとことお願いします!
私がイメージしていた夢の鞄を作ってくださり、本当にありがとうございます。私が想像していたよりもとても良い感じに鞄になっていて、とても嬉しかったです。コウノトリのところや赤い模様のところなども私が伝えさせていただいた通り再現されていて驚きました。またいつかこの鞄を持って豊岡に遊びに行きたいです
プロジェクト総集ムービーを公開中
プロジェクトのスタートから完結までを動画でご覧いただけます。子どもたちの夢、職人の想い。「夢のかばん」づくりの過程を、オリジナル楽曲とともにお楽しみください。